「もらい事故」から運転行動を変える

皆さんこんにちは、日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。
私は毎日、YouTubeで、ドライブレコーダーの映像を使って解説をする番組を運営しています。そのコメント欄を見てみると、以前は、「どちらが悪いか」という過失の割合についての議論がよく繰り広げられていました。また、相手の過失割合が比較的高い、いわゆる「もらい事故」を起こした運転者と面談する際に、このような話になることがあります。
しかし、事故を滅多に起こさない運転者は、過失の割合にはあまり触れません。何が違うのでしょうか? その答えはシンプルで、事故が少ない運転者は、事故が発生した場合、たとえもらい事故でも、自分につくわずかな過失に注目するからです。
逆に事故が多い運転者ほど、相手の過失に注目します。その結果、何が起きると思いますか? 相手の過失に注目するため、自分の過失を振り返らず、自身の運転の改善点に気づかないため、結果的に運転行動を変えないのです。そして、次は自分の過失割合が高い事故を起こしてしまうのです。
運行管理者が「もらい事故」ということで指導が甘くなると、なおさら、自分の過失に注目しません。ぜひ、管理者の方が、この少ない過失に注目し、「もらい事故」から運転者の運転行動を変え、次の事故を発生させない指導をしてあげて下さい。
ところで、この背景には何があるのかお気づきでしょうか? 次回はその話をしてみたいと思います。

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