軽微な事故を捉えなおす

皆さん、日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。交通事故では、よく「重大事故」と「軽微な事故」という言い方をされる方がいます。国交省では、この重大事故の定義を明確にしています。例えば、死亡事故などです。
しかし、この重大事故と軽微な事故の差はどこにあるのでしょうか? 2019年に発生した滋賀県大津市での園児死亡事故は、2人のお子さんが犠牲となりました。直進車と右折車が接触し、「たまたま」ガードレールがない交差点だったので、直進車が歩道に乗り上げました。では、「たまたま」ガードレールがあればどうだったのか? また、それは運転者が自分の運転技術でコントロールできる要素なのか?
事故が発生すると、結果論で分析する傾向の強い方がいますが、重要なのはその結果ではなく経過です。交通事故の場合の経過とは、速度を守っていたか? 信号は守っていたか? など、事故に至る運転行動を言います。
それらは運転者がコントロールできることです。ぜひ、皆さんも結果ではなく、その経過に注目して下さい。いままでに軽微な事故を起こした方は、最悪の結果を考えるとどうなるのか? たまたま運が良かったのではないか? など、過去の自分の「軽微な事故」を捉えなおすと、必ず運転行動が変わるはずです。

PAGE TOP