運転を哲学する男 小林眞のコラム 79.車内は職場

~ 車内は職場 ~

社用車、その室内は職場です。ドライバーのプライベート空間ではありません。

しかし、仕事で社用車を運転している時、その車内は職場そのものであることを忘れているドライバーが少なくありません。

輸送車両を運転するドライバーには、運転することそのものが仕事であるという意識があります。
しかし、営業担当者などは、取引先で商談することが仕事であり、そこまで社用車を運転して行くことは仕事(商談)のための手段にすぎない、と軽く考えていることが多いようです。

さて、事業所のドライブレコーダーを拝見すると、運転中に大音量のラジオの音が鳴っていることがあります。
そして、飛び出してきた自転車や歩行者に対して、怒鳴ったり、罵ったりする言葉が残されています。

事務所内であれば、ラジオを聞きながら仕事をするなど許されないでしょう。
そして、電話の相手に対して、それがいわれなき苦情であったとしても、罵声を発することなど考えられないはずです。

このように、運転中に大音量でラジオを聞くこと、歩行者・自転車、他の車両に対して、聞くに堪えない言葉が発せられるのは、
車内が職場であることを忘れているからだと思われます。

車内は職場なのですから、誰に見られても恥ずかしくない運転こそがドライバーの仕事です。
取引先での営業活動だけではなく、そこまで運転することそのものが大切な仕事なのです。
しかも、車内は「上司のいない職場」なのですから、より自らを戒めることが求められていることを忘れてはなりません。

さて、工場内では、時に労災事故が発生します。
特に、機械に巻き込まれる事故などは、主に自己過失が原因とされており、作業手順、そのルールを徹底することで回避することができます。

しかし、交通事故については、自分の過失だけではなく、相手の過失によっても発生します。
つまり、どれほど安全運転に努めていたとしても、絶対に交通事故を起こさないという保証はありません。

それでも、安全運転を続けるためには、そこに自ら価値を認めるだけの人格・識見が必要なのかもしれません。

つまり、車内が職場であることを理解し、安全運転を続けることができる社員を育てることとは、
上司のいない場面でも誠実で的確な仕事ができる社員を育てることに等しい。
それは、会社・組織全体の安全管理、組織管理にとって最も重要な課題なのだと考えることができます。

そして、マイカーの車内は家族を守る場所なのですから、
家族に恥ずかしくない運転、自慢できる安全運転を続けなければなりませんが、
この大切さは、改めて申し上げるまでもありません。

PAGE TOP
無料メルマガ登録 サービス資料請求 無料セミナーのご案内