運転を哲学する男 小林眞のコラム 53 . 生きていくということ

メルマガコラム 53

~ 生きていくということ ~

 

永六輔さんは、「いきているということは」という歌の中に、こんな言葉を記しています。

「生きていくということは 誰かと手をつなぐこと

つないだ手のぬくもりを 忘れないでいること

誰かにそうしてもらったように 誰かにそうしてあげること」

この言葉に心温まる思いを抱くのは、私たちもそれを願い、そうありたいと思っているからにちがいありません。

 

「手をつなぐこと」とは、横断しようとする歩行者を見つけて止まること、高齢者であれば、安心してゆっくり渡ることができるように、笑顔で「どうぞ」と手で合図すること。

歩行者は、渡り終わったときに、ドライバーに笑顔で会釈を送ること。そして、道を譲ってもらった時の気持ちを忘れずに、自分も道を譲ること。

 

私たちは空を飛ぶことなどできません。同じ平面上で交差する道路を人も自転車も自動車も走り回り、同時に交差した時に交通事故が発生します。

交通事故を避けるためには、互いに譲り合うことが不可欠です。そして、誰かのウッカリが事故にならないように、自分の安全意識で防ぐ思いが大切です。

 

ありふれた平凡な日々、それがどれほど大切なものであるのかを私たちは忘れています。交通事故を起こさないことが普通なのだと、いつの間にか勘違いしているのです。

自動車を安全に運転するということは、今の私たちの安全意識では不十分だということです。

これまでの安全意識、その運転では、将来の無事故を期待することなどできません。死亡事故ですら、ごく普通の運転によって発生しているからです。

死亡事故の加害者の多くは、過去に違反や事故のなかった優良ドライバーでした。

 

「生きていくということは 誰かと手をつなぐこと

つないだ手のぬくもりを 忘れないでいること

誰かにそうしてもらったように 誰かにそうしてあげること」

この言葉を忘れずにいることで、私たちは安全運転を続けることができるはずです。

誰かの命を守り、悲しみを防ぎ、今ここにある、私たちの幸せを守り続けるために、安全運転を続けましょう。

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