運転を哲学する男 小林眞のコラム 42 子どもは車内で事故にあう

メルマガコラム 42

~ 子どもは車内で事故にあう ~

 

パパやママが、お子さんにシートベルトもチャイルドシートもさせず、平然と車を走らせるのは何故でしょう?

「子どもが交通事故にあう場所はどこかご存じですか?」と問いかければ、大半のご両親は、「道路以外に交通事故にあう場所なんてあるの?」という疑問を抱きます。

しかし、その答えは、「車の中」です。子どもが交通事故でケガをする場所とは、道路よりも車内の方が多いのです。車内、そうです、パパやママが運転するマイカーの中なのです。

「それでも、シートベルトやチャイルドシートをさせずにお子さんを乗せて車を走らせるおつもりですか?」と質問すると、「やっぱり、シートベルトさせた方がいいですか?」と。

私は答えます。「違います!させた方がいいのではありません。させなくてはダメです!」

 

「(どうせ事故なんてしないのだから)チャイルドシートの費用が無駄」、「チャイルドシートなんてさせると、子どもが泣いて運転に集中できない」、「子どもが嫌がる」などの意見も聞きます。

しかし、いくら気をつけて運転していても、交通事故を起こさない保証はありません。誰もが気をつけて運転していたはずなのに、交通事故の加害者や被害者になっています。

そして、交通事故の当事者となった時、その事故をなかったことにはできません。お子さんの体に一生消えない傷が残ったり、後遺症が残されたり、あるいはその命が失われることもある、これが交通事故の現実です。

チャイルドシートを着用していた場合と非着用の場合とを比較すると、致死率は約10倍とされていますが、10倍だから着用するのではなく、それが2倍であっても着用する必要を認めるべきです。

 

私たちは、私たちの社会の子供たちが、私たち以上に、自由に、安全に、そして充実した人生を過ごすことができるように、務める義務があります。

私たちがすべきこととは、安全運転に努めること、そして、シートベルト、チャイルドシートを正しく着用する手間を惜しまないことです。

 

「私は気を付けているから大丈夫……」、そんな根拠のない自己過信にすがっているだけでは、交通事故を防ぐことなどできません。ひとたび事故の当事者となり、子どもにケガをさせてしまえば、私たちは一生、後悔を続けることになります。

私たちは、記憶を消して生きていくことなどできません。

後悔しても、その事故がなかったことにはなりません。子どもの傷、失われたその命が元に戻ることはありません。

そんな出来事を防ぐために、私たちができることとは、シートベルトやチャイルドシートを正しく着用させることであり、それは、誰にでもできることなのです。

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