運転を哲学する男 小林眞のコラム 69.健康と安全

~ 健康と安全 ~

“○○を食べると癌になる”なんて話を、大学病院の医学博士がまことしやかに語れば噂になり、ネット上で飛び交います。                              その結果、多くの人は○○を食べる気になれず、敬遠するでしょう。
しかし、“△△を食べると××癌を予防できる”という話を聞いただけで、日々△△を食べる人は稀です。                                        そもそも、癌の種類は多く、××癌を防ぐだけで健康と長寿が保証されることはありません。                                              しかも、この手の話はたくさんあります。Aを食べると痩せる、Bは頭髪が増える、Cはシワが消える、Dは頭が良くなる、Eは若返る、……。                      これでは、食べ過ぎて生活習慣病になってしまいます。

管理栄養士の佐藤さんは、“健康コラム(2025/09/18)”でこんなことを書いていました。

……「ラーメン大盛り無料・ごはんのお代わり無料」と見れば、つい「大盛り」「お代わり」を頼んでしまいます。                                    でも、それは本当にお得なのでしょうか?
本当に得をするのは、(たくさん食べることではなく)健康で長生きできることです。……

この話、私は感動しました。本当にそのとおりです。                                                               改めて、私たちが幸せな、充実した人生を過ごすためには、健康と安全がどれほど大切なものかを考えました。

そして、私たちの交通事故防止の話とは、健康の話と同じであることを改めて思います。

病気になって健康のありがたさを知る。これは、事故を起こして安全運転の大切さを知る、と同じです。
そして、人の過失をゼロにできない以上、どれだけ安全運転に努めていても、絶対に事故を起こさないという保証はありませんが、これも健康と同じです。               どれだけ健康管理に配慮していても、病気にならないという保証はありません。                                                     特に病気の場合、遺伝による体質が病気の要因となることもあります。
そして、病気による意識低下などが交通事故の原因となることも少なくありません。

もう一度、私たちにできることを考えましょう。
食生活も運転も、それはその日、その時の判断に基づく行動に思われますが、実は、私たちの習慣的行動に他なりません。                                 つい食べ過ぎる、つい速度を上げて急いでしまう……。
こうした習慣的行動を変える、改善するためには、少しの決意と自己規制が必要です。

例えば、食べ過ぎを控えること、速度を控えること。急いで食べないこと、落ち着いた気持ちで運転すること。                                    よく噛んで食べること、一時停止場所では停止線の手前で確実に止まること。
これだけで、交通事故の発生リスクは半減します。
私たちにとって大切な、健康と安全を守るためにできることをひとつずつ増やし、安全なドライバーが一人ずつ増えることで、                                私たちは交通死亡事故をゼロにすることができます。

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