アルコール・甘いもの・油ものが重なると危険です!
こんにちは!管理栄養士の佐藤です。
日々安全運転に従事されている運転士のみなさん、本当にお疲れさまです。
今回は「健康起因事故を防ぐための生活習慣」について。
特に、脳梗塞や心筋梗塞の大きな原因となる内臓脂肪の蓄積に焦点を当てます。
内臓脂肪が増えると血圧や血糖、コレステロール値が悪化し、血管に動脈硬化が進みます。
すると脳や心臓の血管が詰まりやすくなり、突然の意識消失や突然死につながるのです。
そこで大切なのが、「アルコール」「甘いもの」「油もの」——この3つの“ア”を重ねない工夫です。
1.アルコール(飲み過ぎていませんか?)
ビールや焼酎、日本酒などのアルコールは、適量であればリラックスや交流の場として役立ちます。しかし飲み過ぎは大敵です。
アルコールは肝臓で分解されるときに中性脂肪の合成を促し、内臓脂肪がたまりやすくなります。また血圧を上げやすく、睡眠の導入には効果がありますが睡眠の質は悪化し、浅い睡眠になるのです。
具体例:
・帰宅後に「とりあえずビール!」を毎日続けている
・缶ビール500mlを2本以上飲むのが習慣
・晩酌しながらスナック菓子や唐揚げを食べる
これらはすべて内臓脂肪の“増量コース”です。
「週に2日は休肝日をつくる」「飲むなら缶ビール350ml1本まで」など、ちょっと物足りない程度が適量になります。
2.甘いもの(隠れ糖分に注意)
「甘いものはあまり食べないよ」という方でも、実は砂糖を多く摂っていることがあります。
缶コーヒー、エナジードリンク、清涼飲料水には大量の砂糖が含まれています。
これらは血糖値を急上昇させ、インスリンが大量に分泌され、結果的に内臓脂肪を蓄える原因になります。
具体例:
・仕事中の眠気覚ましに毎日エナジードリンクを飲む
・甘い缶コーヒーを1日3本 (微糖コーヒーでもスティックシュガー2本/缶も含まれています)
・運転しながらチョコや菓子パンをつまむ
一度に砂糖を多く摂ると血管の内側が傷つき、動脈硬化が進みます。
しかも眠気覚まし効果は一時的で、結局だるさや眠気を増やす悪循環に。
私はこれを元気の前借りと良く言っています。
「水やお茶に切り替える」「缶コーヒーは無糖にする」「甘いおやつは昼食後だけにする」など、工夫してみてください。
3.油もの(揚げ物・脂身に偏らない)
唐揚げ、とんかつ、カツ丼、ラーメン+チャーハンのセット……
運転士さんの食事はどうしてもボリュームのある油ものが中心になりがちです。
油そのものが悪いわけではありませんが、揚げ物や加工肉の脂質は酸化しやすく、体内で炎症を引き起こしやすい性質があります。これも動脈硬化や心筋梗塞の原因になります。
具体例:
・毎日のように揚げ物定食
・コンビニで唐揚げ+ポテトをおやつ代わりに
・ラーメンにチャーシューや背脂、炒飯を追加
こうした食習慣は「悪玉コレステロール(LDL)」を増やし、血管を詰まりやすくします。
「揚げ物は週2回まで」「肉より魚や豆腐を意識」「野菜を先に食べる」などの工夫で、内臓脂肪と血管の両方を守ることができます。
4.3つの“ア”が重なるとどうなる?
問題は、この3つが重なったときです。
たとえば——
・晩酌でビール+唐揚げ+ポテトサラダ(マヨネーズたっぷり)
・運転中に缶コーヒー+チョコ+揚げ菓子
・飲み会でアルコール+揚げ物+締めの甘いデザート これらはすべて「アルコール+甘いもの+油もの」のトリプル攻撃。内臓脂肪が急速に増え、血管のダメージも進みます。
結果として、高血圧・糖尿病・脂質異常症が一気に悪化し、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが跳ね上がります。
5.続けられる工夫
「全部やめろ」なんて言いません。そんなのはつまらない人生になってしまいますし、現実的ではありません。大切なのは重ならない工夫です。
・お酒を飲む日は揚げ物を控える
・揚げ物を食べた日は甘い物を避ける
・デザートを食べる日はアルコールを休む
こうして3つの“ア”が同時に重ならないようにするだけで、内臓脂肪の蓄積スピードを大きく抑えることができます。これなら出来そうですよね?
さらに、1日10分のウォーキング、エスカレーターではなく階段を使う、歯ブラシをしながらスクワット5回はするなど、小さな活動を積み重ねると脂肪燃焼効果も高まります。
まとめ
・脳梗塞・心筋梗塞の多くは内臓脂肪の蓄積が引き金
・内臓脂肪をためる3大要因は「アルコール」「甘いもの」「油もの」
・この3つが重なると危険度が急上昇!
・ポイントは同時に重ねない工夫
みなさんが安全に運転を続け、ずっと長く元気に働き続けるために。
ぜひ今日から「3つのアを重ねない生活」を意識してみてください。